プロ野球ブログ

プロ野球について思うことを淡々と。

【解説】藤浪晋太郎の不振の原因は「イップス」でも「技術不足」でもない。データに基づいた本当の原因とは?

f:id:kazuyabaseball1625:20181128205246j:plain

こんにちはカズヤです。

 

今回は阪神タイガース藤浪投手のスランプについて。

 

 

 

 

藤浪投手は2013年に阪神に入団し、

 

ルーキーイヤーに10勝

 

 

その後14年に11勝

 

 

15年には14勝

 

 

着実に成績を残し、阪神のローテーションを担う活躍をしてきました。

 

 

しかし、2016年、金本新監督が就任し優勝に期待もかかった年でしたが

 

開幕から調子が振るわず。

 

 

 

 

軒並みストライクが入らなくなったり、暴投が目立つようになりました。

 

 

 

 

ファンの中では、彼のスランプを象徴する「懲罰続投」の161球があったのもこの年でした。

 

 

 

www.youtube.com

 

 

 

 

結局この年は7勝で終わり、初めての二桁勝利にも届かない年に。

 

 

 

 

翌年、そして今季も復活することはなく、

 

17年に3勝、18年の今年は5勝に終わりました。

 

www.youtube.com

 

 

 

 

 

 

マスコミやファンからはここ2,3年、

 

「藤浪のスランプ」の原因としていろんな意見が飛び交うようになります。

 

 

 

 

大きく飛び交う意見は、二つ。

 

 

 

金本監督に厳しくされすぎて精神的な「イップス」になったのではないのか?

 

 

という説と、

 

 

そもそも単なる「技術不足」で、ストライクが入らないのではないか?

 

 

という説です。

 

 

 

まず二つの意見についてですが、

 

 

確かにどちらもそうだとは思います。

 

 

 

 

イップス」については、本人も否定していますが、

 

 

前監督の和田監督に比べて、

 

 

金本監督になってからは扱いがものすごく厳しくなったのは確かです。

 

 

 

そこは彼も気にしてはいなかったと思いますが、

 

 

 

一番いけなかったのは金本監督に便乗してファンやマスコミまでもが、

 

 

厳しく彼を見るようになりました。

 

 

 

「今まで穏やかに見てやったけれど、今年からは厳しく見るぞ」

 

という雰囲気がファンとしても、ものすごくあの年は感じました。

 

 

 

実際に藤浪選手も冗談交じりに「仙台(ビジター)はヤジがなくて投げやすかった」

 

と言っています。

 

少なからず「やりにくさ」を感じていたのは確かだと思います。

 

 

 

 

 

ただ、本人も言っている通り「イップス」になるほどの大きな原因ではないでしょう。

 

 

よく言われることですが、

 

マチュア時代にあれだけの活躍をした選手が、

 

そんなことで急にストライクが入らなくなるようなことにはなるのはやはり考えづらい。

 

 

 

そんな状況でまず野球なんてできないでしょう。

 

 

 

単なるファンやマスコミの妄想です。

 

 

 

 

 

 

そしてもう一つの説ですが、「技術不足」という説について。

 

 

 

これも確かにあると思います。

 

 

 

藤浪投手は一年目を終えた14年、フォーム改造に踏み切りました。

 

 

左足を三塁側に向け、軸足とクロスするように投げる

 

 

「クロスステップ」の投球フォームを修正しました。

 

 

 

 

体が開いて「抜け球」や「制球難」を治すためです。

 

 

 

しかしこのフォーム修正後、

 

クロスステップで投げていたルーキーイヤーより四死球が増えていました。

 

 

 

 

そしてこのスランプに入るようになって軒並み、

 

 

フォーム修正に対応できない「技術不足」が原因ではないかという声が

 

 

広がるようになった。

 

 

これは本人も認めていますし、確かにそうだと私も思います。

 

 

元々コントロールも良くない投手ですから。

 

 

結果として四死球が増えているのは、技術不足でしょう。

 

 

 

 

ただ見てほしいのは、フォーム修正後の14年、15年は成績を上げている。

 

 

15年に関しては、キャリアハイの14勝をしているわけです。

 

 

 

 

不振になった16年に大きくフォームを変えたのならまだ分かりますが

 

 

16年に関しては特に変えていません。

 

 

 

それから17年、18年とフォームを修正してはいますが、

 

16年に始まった不振を考えれば、そこに関してはあまりスランプと関係はない。

 

 

 

 

 

 

だとしたら、藤浪の本当の不振の原因とはなんなのか?

 

 

 

藤浪の不振の原因は、単なる「投げすぎ」

これは

「データで楽しむプロ野球」

から引用した14~17年の、投球数のランキング。

 

2014年
1メッセンジャー(神)3544球(1登板114.3球 1回17.01球)
2久保康友(De)2987球(1登板106.7球 1回16.75球)
3前田健太(広)2866球(1登板106.1球 1回15.33球)
4藤浪晋太郎(神)2844球(1登板113.8球 1回17.45球)
5山井大介(中)2804球(1登板101.2球 1回16.15球)

 

 

2015年
1藤浪晋太郎(神)3374球(1登板120.5球 1回16.95球)
2メッセンジャー(神)3255球(1登板112.2球 1回16.81球)
3大野雄大(中)3250球(1登板116.1球 1回15.68球)
4前田健太(広)3189球(1登板110球 1回15.46球)
5ジョンソン(広)3174球(1登板113.4球 1回16.33球)

 

 

2016年
1メッセンジャー(神)3218球(1登板114.9球 1回17.36球)
2藤浪晋太郎(神)2948球(1登板113.4球 1回17.44球)
3ジョンソン(広)2895球(1登板111.3球 1回16.05球)
4菅野智之(巨)2863球(1登板110.1球 1回15.62球)
5田口麗斗(巨)2636球(1登板101.4球 1回16.27球)

 

 

 

お分かりいただけただろうか?

 

 

 

 

ルーキーイヤーの13年は「100球制限」が首脳陣の中であったため、

 

18位の2252球にとどまっているのだが、

 

 

 

その後の14年、15年、そして不振の16年と、

 

投球数ランキングではメッセンジャーに並び、藤浪投手はトップ5の常連。

 

 

 

ほぼ3000球近く、毎年投げている。

 

 

 

これは日本人投手としては、あるまじきことなのだ。

 

 

 

 

 

特に15年のトップ5は全員が3000球以上投げ、

 

 

それを押しのけ藤浪選手はトップ1位になっている。

 

 

 

 

 

ただ、この年投球数ランキングに入っている投手は

 

 

 

メッセンジャー投手を除いて、怪我をしている。

 

 

代表的な選手を上げると、前田健太投手や大野投手。

 

 

 

前田投手は、翌年メジャー移籍をする際、怪我が明るみになり異例となる

 

入念なメディカル審査などを経てのドジャースへの入団となった。

 

 

 

 

野投手も怪我をきっかけに翌年からは不調。今だ復調の兆しはない。

 

 

 

 

 

それに比べ、毎年3000球以上投げ、

 

活躍し続けているメッセンジャー投手は

 

どれだけ異次元の体の強さがあるのかも分かるが、

 

 

普通はそうはいかない。

 

 

 

 

 

さらに思い出してほしいのは、藤浪投手が3000球以上投げた15年のオフ。

 

 

 

この年プレミア12の代表にも選ばれたが、

 

「シーズン中から肩の違和感がある」として代表を辞退した。

 

www.sponichi.co.jp

 

そう。藤浪投手も、前田選手、大野選手のように

 

 

怪我をシーズン中にすでに抱えていたんですね。

 

 

 

しかもチームの優勝争いもあったということもあって、

 

怪我を抱えながら無理をしてでも投げていた。

 

 

 

 

そして開幕した2016年。

 

シーズン序盤からファンから見ても異変があったのにも関わらず、

 

 

金本監督は藤浪を使い続けた。

 

 

そして重なるあの「161球の懲罰続投」。

 

 

 

16年の投球ランキングを見ても2948球と、

 

 

 

結局15年に続き3000球近く投げています。

 

 

 

 

そして17年、18年のあの成績です。

 

 

 

私は別に和田監督や金本監督の酷使を批判する気はありません。

 

 

 

15年は当然優勝争いをするのに必要な戦力でしたし、

 

16年も若手育成を掲げる中、彼が投げなければ他に計算できる投手はいなかった。

 

 

 

 

でも彼が大きく崩れた原因として、

 

 

ルーキーの年からずっと「投げすぎた」、

 

「使いすぎた」という紛れもない事実があったということ。

 

 

 

ここをファンの方には知っていてほしいなと思い、今回この記事を書きました。

 

 

 

 

 

18年の後半は復活の兆しが見える投球をしていました。

 

 

 

 

仮に19年に活躍した際、

 

「やっぱり金本と相性が悪かったんだ」と思うファンが現れる前に

 

 

 

 

「そもそも藤浪は投げすぎて怪我までしていた。」

 

 

という事実は伝えておきたいなと思います。

 

 

 

 

 

19年彼がまた楽しそうに野球をやっている姿を見たいですね。

 

あったかく応援しましょう!!

 

 

LINE@ではブログでは書ききれなかった話や限定動画など配信しています。

ぜひ登録よろしくお願い致します。

LINE@ https://lin.ee/LDMoWDj


 
 

 藤浪選手、阪神の試合チェックはDAZNでしています。

 

 

 

新規無料トライアル期間もあるようなので、

 

 

 

とりあえずお試ししてダメなら期間内に解約するのもアリかと。

 

 

 

今年は巨人の主催試合も全試合見られるのでかなりおすすめです。