プロ野球ブログ

プロ野球について思うことを淡々と。

バッティングは「構え」「フォーム」ではなく、「トップ」が全てであると言える理由。「理想的な構え方」は存在しない。

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こんにちはカズヤです。

 

今回はバッティング論について。

 

昔から野球選手にはそれぞれ独特の構え方があり、「本当にこんな構えで打てるのか?」と心配になるファンや、構えを揶揄する解説者、専門家もたくさんいます。

「打てる選手は構え方から違う」と言う指導者も多いですが、本当にそうなのでしょうか?

 

 

バッティングは「トップ」が全て

 

最初に断言してしまうと、多くの一流打者の打ち方を見ていると「構え」「フォーム」は正直なところどうでもよく、「トップ(振り出す時のバットやグリップの位置)」が全てであると言えます。

 

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上の画像は神主打法でお馴染みの落合博満氏のトップの画像下は独特な捻りの構えをする坂本勇人選手のトップの画像ですが、構えは全く違いますがトップの位置はほとんど同じ位置、そして角度になっていることが分かると思います。

 

多くの一流選手のトップの位置は大体、頭の横、耳の横にあり、これは世界的にも共通しています。どんな構え方をしていようと、トップの位置からミートポイントまではほとんど個人差のあるものではないことが分かると思います。

 

 

それぞれ「理想的なトップの位置」があるから、独特の「構え方」が生まれる

 

そもそもなぜトップを作らなければいけないのかというと、ここが狂ってしまうと理想的なスイングはおろか、しっかりと打つことすらできないからです。

からしきりにプロの選手は「トップ」を重要視している人が多いんですね。

 

スイングのメカニズムの中でも構えからトップの位置に入れるまでの動きというのは、

理に適ったスイングをするための「予備動作」と位置づけができます。

トップの位置は「選手それぞれ理想的な位置」があると言われています。そのトップの位置に入れるための動きも、選手それぞれのものであり、基本や決まりはないんですね。

 

だからこそ梨田昌孝氏の「こんにゃく打法」や近藤和彦氏の「天秤打法」、現在楽天にいるブラッシュ選手のように、極端にバットを投手寄りに倒すユニークな構えが生まれるんです。

 

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梨田昌孝氏の「こんにゃく打法」

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近藤和彦氏の「天秤打法

 

 

「理想的な構え方」というものは存在しない。

 

選手の独特の構えを目にしたときに技術的なアプローチで解説できることはまずないんですね。なぜなら構えは、自分自身が良い感覚で理想的なトップの位置に持っていけるような形であればいいわけですから。

ロングヒッターの理想的な構え方とか、アベレージヒッターの理想的な構え方というものも存在しなければ、理屈もないんです。

 

時々解説者や指導者でも、「その構え方では打てない」などど批判したり、構えを強制されてしまう選手もいるようですが、何度も主張しますが「バッティングはトップが全て」であるので、構え、もっと言えばスイングという動きの中でトップの位置に入れる以前の動きに欠陥があることはあり得ないんです。

日本人は理想の構えを探すのが下手だという声も聞きます。構えはフィーリングですから、スタンダードな固執せず自分に合う構えで構えればそれでいいということを認識していただければと思います。

 

 

構え方ではなく、トップを作るための「始動の早さ」が重要

ここまで述べてきたようにどうしても「構え」の段階で欠陥を指摘され、誤解をされているからこそ、スイングのメカニズムにおける大切な要素を省略してしまいます。

 

それが「トップを早く作る」ということです。

 

これは昔から多くの一流メジャーリーガーも、トップを頭の横に早く作ることの重要性を強調しています。このタイミングが遅れてしまうと、スイングがどれだけ早くてもボールに合わせることはまず物理的にも不可能であり、どんなボールが来てもまず対応できないんです。

 

よく「始動を早くしろ」という指導がありますが、これは「バットを早く振り出せ」とか「動作するタイミングを早くしろ」という意味ではなく「早くトップを作りいつでもスイングができる状態にしておけ」という意味なんです。

 

ただ、日本ではこの「始動を早く」という解釈が希薄なため、間に合わせるために十分深いトップをとらないなど、スイングのメカニズムとして大事な要素を省略してスイングしてしまいます。だからこそ、いい結果が出ないと「構えの際にバットのヘッドが投手寄りに倒れすぎている」などと構えの指摘をされ矯正されてしまうんですね。

 

また「始動の早さ」をあまり重要視されない理由として、打撃マシンの普及もあると言われています。打撃マシンは自分の好きなスピード、球種を選ぶことができ、ほとんど一定のタイミングで気持ちよく打つことができてしまうからです。練習中スイングは良いのに試合になると、どこかぎこちなくなってしまう選手がいるのは、自分なりにトップの位置に入れる動きを身に着けていないからだと一つの理由として考えられます。

 

始動を早くして、トップを深く作り、どんなボールが来ても対応しやすくしておく。

 

そのためにも自分のトップの位置を見つけ、そのトップの位置にスムーズに入れるためにどんな構えをすればいいか考える。そしてこの「構え」には、どんなタイプの打者にどんな構えが合うのかという理屈はないということ。今回はここを強く主張し理解してもらいたいと思います。

 

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。