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巨人中川皓太投手はなぜ覚醒したのか?「進化したスライダー」の正体と「フォーム変更」が功を奏した理由について。

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こんにちはカズヤです。

 

今回は巨人中川皓太投手の覚醒について。

 

 

 

今年は開幕から1軍でリリーフを任され、開幕から16試合連続無失点の記録も作り着実に力をつけていることをファンだけでなく首脳陣にもしっかりと見せつけました。それからはセットアッパー、クック投手が怪我で離脱してからはクローザーも務めるなど大事な場面で任され現在、26試合2勝0敗7セーブ8ホールド防御率0.64と結果を残しています。

 

 

なぜ中川投手はこれほどまでに安定した投球を見せることができるようになったのでしょうか。その理由についてこれから書いていきます。

 

 

進化したスライダーの正体

中川投手は持ち球の球種として主にスライダー、ツーシーム、チェンジアップを持ち球としていますが、

 

このスライダーが中川投手はかなりよくなりました。

 

 

18年まではスライダーが課題とされていました。

打席の手前で大きく曲がってしまうスライダーであったため、一流打者には簡単に見切られてしまうというのが中川投手の欠点だったのです。

 

しかし18年オフ菅野投手との自主トレやキャンプでスライダーに磨きをかけたことが見事成功し、

今季はストレートの軌道とスピード(140km/h後半)のまま打者の懐まできて、そこからキュッと曲がるカット気味のようなスライダー、いわゆる「スラッター」の習得に成功しました。

 

 

この2球はまさにスラッターですね。

 

今江選手も完全にストレートだと思って振りぬいたところ、急にグッと曲がってきたので根元に「当たってしまい」バットが折れています。

 

スラッターは打者からすると途中までほとんどストレートにしか見えないので空振りも奪いやすく、バットに当たってもゴロになりやすいので、現代の進化した「魔球」と言ってもいいボールです。

 

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おそらく中川投手は同じようにスラッターを投げる菅野投手にアドバイスを受け、習得したのだと思います。映像で見ていても球威や質も非常に高いのでこれからも安定した活躍を見せられるでしょう。中川投手にとっても、巨人にとっても非常にいい武器を手に入れられたと言っていいと思います。

 

 

 

「最適な体の使い方であるフォーム」変更

中川投手は18年の後半にフォームをオーバーハンドだった投球フォームから、

少し腕を下げたスリークォーターのフォームに変更していました。

 

 

このフォーム変更により中川投手の制球力、球速共に安定し始めました。

私はこの中川投手が腕を下げてスリークォーター気味にしたフォーム変更は大正解だと思っています。

 

 

 

理由は一つで中川投手の投球フォームは、「スリークォーターが最適な体の使い方」であるフォームだったからです。

 

少し解説していきます。

 

 

 

下は中川投手のフォーム変更前のテークバックの画像です。

 

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左腕の位置に注目してほしいのですが、テークバックの際左腕が背中の後ろまで行ってしまっていいるのが分かります。

実はこのテークバック(腕を背中の後ろまで下げる)は体のメカニクス観点から見ると「サイドスロー」や「スリークォーター」など、腕を下げて投げる投球フォームに適した投げ方なんです。

 

 

しかし中川投手は「スリークォーター」に適した体の使い方をしながら、オーバースローで投げているというおかしな体の使い方をしていたのです。

 

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そのためリリース時も体が右に流れてしまい、体重移動がうまく乗り切れていないのが分かります。

 

制球のバラつきやスピードが安定しない原因はここにあったのだと思われます。

 

 

しかし去年の夏場腕を下げて「スリークォーター」に変更し、体の使い方と腕の位置が最適なバランスにマッチしたことにより、

その後一軍で37イニングを投げ防御率は5.02と良くはないですが、奪三振率7.41与四球率1.91と球の質や制球が良くなっていたことが分かります。

 

 

 

リリースの画像を見比べても明らかに今年の方が上体が真っ直ぐになっており、最適な体の使い方を生かしたフォームが安定した制球力と球速を生み、今シーズンの活躍に繋がっていると納得できます。

 

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↑フォーム変更前までのリリースの画像。上体が明らかに右に倒れてしまっているのが分かる。これではボールに力を伝えきれず、制球もバラつく。

 

 

 

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↑フォーム改良後今季の写真。頭、上体がブレず真っ直ぐになっているのが分かる。

体重移動がきっちりできているため、制球もよくなりボールにも力を伝えやすい。

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

いかがだっただろうか。

今季の中川投手を見てなぜ活躍しているのだろうと疑問に思っている方も多いと思うが、実はきちんと理に適った投球フォームで投げられているというのが大きな証拠だったんです。

 

 

そして新しく身につけた「スラッター」の効果も非常に大きい。

野投手は教える才能もかなりあるのではと思う。これから巨人も「スラッター」を投げる投手が増えるのは時間の問題かもしれません。

 

中川投手はセットアッパーにクローザーなど日によって変わるから調整も難しいでしょうが、頑張ってほしい。できればクローザー固定してあげてほしいのですが。宮本コーチの投手運用はコメントを見ていても怪しそうなのであまり期待はできないかもしれませんが。。。

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

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再三書いた「スラッター」の詳しい解説記事

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中川投手の「テークバック問題」は、不調の阪神藤浪にも同じことが言える。

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